クレジットカードというと、普段の買い物で利用するイメージが強いと思います。しかしクレジットカードは買い物以外にも便利な機能があり、その一つにいざといったときに利用できる、様々な保険が付帯しているものが多くあります。
クレジットカードについている保険は、旅行傷害保険やショッピング保険といったものです。
ショッピング保険とは、購入した商品において盗難や破損といったトラブルが起きた際に、補償を受けることができるというものです。
いっぽうで旅行傷害保険は、旅行時のトラブルを補償してくれる保険です。旅行傷害保険でも内容はクレジットカード会社やカードのステータスによって異なり、ステータスの高いカードだと最高1億円まで保証されるカードもあります。
当記事では、この「旅行傷害保険」にフォーカスを当て、旅行傷害保険とはどのようなものかに加え、旅行傷害保険のついたお勧めのクレジットカードを紹介していきます。
旅行傷害保険とはどんな保険?
クレジットカードの付帯サービスをチェックしていると「旅行傷害保険 最大2000万円」などと記載されていますね。
この最大○○円というのは、たいていが旅行中に死亡してしまったときに支払われる最高額です。怪我などでこれだけの額になることは殆どありません。
なんだか物騒な話になってしまいましたが、旅行傷害保険は何も死亡時だけではなく、旅行中の病気やケガなどといった思わぬトラブルでも適用されます。海外では日本のように医療保障が充実していないことも多く、治療費が思わぬ高額になることもあるので助かりますね。
また病気やケガだけでなく、損害賠償等を請求された場合も、保険が適用されればクレジットカード会社が補償してくれます。
続いてそういった旅行傷害保険の中身を、より具体的に見ていきましょう。
もう少し旅行傷害保険について詳しく解説
▶どのようなときに補償金が出る?
旅行傷害保険においては、主に以下のような項目があり、カード会社ごとにそれぞれ補償額の上限などが決められています。
また、すべての項目で補償があるとは限りませんので、詳しくは利用するカード会社に確認をしてください。
- 死亡後遺障害・・死亡したり、重大な後遺症が残ったとき
- 傷害治療・・怪我をしたとき
- 疾病治療・・病気にかかったとき
- 携行品損害・・荷物が破損したり、盗まれたりしたとき
- 賠償責任・・他人の体や物に損害を与えたとき
- 救援等費用・・事故等で家族が駆けつける渡航費用など
- 飛行機遅延損害・・飛行機の遅延が生じたとき
▶自動付帯/利用付帯って何?
クレジットカードの旅行傷害保険の説明を読んでみると、「自動付帯」「利用付帯」といった言葉が登場します。これらは、以下のような意味合いがあります。
自動付帯・・・該当カードを持っているだけで保険適用の対象になる
利用付帯・・・旅行の関連費用を該当カードで決済することで保険適用の対象になる※どういった費用の決済が対象になるかはカードによって異なります
▶2枚以上のクレジットカードがあったら両方で受け取れる?
これは発生したトラブルの内容次第です。死亡や後遺障害といった、高額な補償金が支払われる場合と、それ以外で異なります。
死亡・後遺障害・・・最高額のもののみが適用
それ以外・・・・・・複数カードで合算可能
▶保険金の受け取り方は?
トラブルがあった場所において
- 医師の診断書
- 領収書
- 事故証明書
などといった証拠や支払った費用関連の書類が必要になります。その後なるべく早く保険会社に連絡し(原則30日以内)、保険金請求書を取り寄せます。
トラブルが起きた日から○○日以内に申請しないと受け取れない、という規約があることも多いので注意してください。
▶同伴する家族は補償してくれる?
家族に関しては、家族特約が付いているか次第です。家族特約付きであれば、OKということになります。
▶補償内容はステータスの高いカードほど充実
保険の充実度はクレジットカードによってまちまちですが、基本的にはステータスの高いカードほど、補償内容は充実しています。
特に国内旅行における傷害保険はゴールドカード以上でないと付いていないことが多く、一般カードだと付いていても保証されるのは死亡後遺障害のみであることが多いです。
※ビュースイカカードなど、国内旅行傷害保険が充実しているカードもごく一部存在します
一方で海外旅行時の傷害保険は基本的にゴールド以上と比べると額では劣るとはいえ、一般カードでも付帯していることが多いです。
そうはいっても海外で思わぬことが起きると国内とは勝手が違うため、海外旅行で補償がついているだけでもかなり助かりますけどね。
続いて、海外旅行傷害保険が充実した一般のクレジットカードを紹介していきます。
旅行傷害保険が充実しているクレジットカード3枚
一般カードの有名どころで旅行傷害保険が充実しているカードは
- エポスカード
- JCBカード
- au Payカード
- 楽天カード
- ビューカード
といったあたりです。
エポスカード、JCBカード、au Payカード、楽天カードは海外旅行傷害保険が充実しており、「ビュースイカ」カードは国内旅行傷害保険が充実しています。
エポスカード

傷害死亡・後遺障害 | 最高500万円 |
傷害治療費用 | 200万円(1事故の限度額) |
疾病治療費用 | 270万円(1疾病の限度額) |
賠償責任(免責なし) | 2000万円(1事故の限度額) |
救援者費用 | 100万円(1旅行・保険期間中の限度額) |
携行品損害(免責3,000円) | 20万円(1旅行・保険期間中の限度額) |
このように、年会費無料のカードとしては充実した補償内容となっています。
特に疾病治療費用270万円、傷害治療費用200万円はかなり良い部類ではないでしょうか。
なお国内旅行傷害保険はついていません。
JCBカード
死亡・後遺障害 | 最高3000万円 |
傷害 | 100万円限度 |
疾病 | 100万円限度 |
賠償責任 | 2000万円限度 |
携行品損害 | 20万円限度 |
救援者費用 | 100万円限度 |
海外旅行傷害保険は
- 傷害治療費用 100万円
- 疾病治療費用 100万円
- 携行品損害 20万円
となっておりやや上限は低めですが、死亡後遺障害の上限は3000万円とかなり高くなっています。また国内旅行傷害保険もついており、こちらも上限は3000万円です。
au Payカード
傷害死亡・後遺障害 | 2,000万円 |
---|---|
傷害治療費用 | 200万円 |
疾病治療費用 | 200万円 |
救援者費用等 | 200万円 |
個人賠償責任 | 2,000万円 |
携行品損害 (免責金額3,000円) | 20万円 |
au Payカードの補償内容はこのような形で、こちらも一般カードとしては充実した内容となっています。auユーザー筆頭に使い勝手の良いカードなので、併せて検討してみてください。
なお国内旅行傷害保険はついていません。
楽天カード
死亡・後遺障害 | 2000万円(最高額) |
傷害 | 200万円(1事故の限度額) |
疾病 | 200万円(1事故の限度額) |
賠償責任 | 3000万円(1事故の限度額) |
携行品損害 | |
救援者費用 | 200万円限度(年間限度額) |
楽天カードも、このように充実した海外旅行傷害保険が付帯しています。
携行品損害の保険がないのが欠点ではありますが、それ以外の部分は充実した内容となっています。
ビュースイカカード・JRE CARD
死亡・後遺障害 | 最高1000万円 |
入院 | 3000円/日 |
手術 | 入院保険金日額の10倍または5倍 |
通院 | 2000円/日 |
死亡・後遺障害 | 500万円(最高額) |
傷害 | 50万円(1事故の限度額) |
疾病 | 50万円(1事故の限度額) |
一般カードには珍しく、国内旅行傷害保険が死亡後遺障害にもつくカードです。また、海外旅行傷害保険も付帯していますが、他と比べると内容は劣ります。
年会費524円が必要にはなりますが、ビュースイカカードはJR東日本を利用する方であれば便利に使えるカードなので、併せて検討してみてください。
なお、同じくJR東日本が発行しているJRE CARD(駅ビルでお得にポイントが貯まる)も同じ保険が付帯しています。

まとめ
当記事ではクレジットカードに付帯している旅行傷害保険について解説しました。
旅行傷害保険は当然使わないに越したことはないのですが、いざといったときにあると助かります。そうはいっても、そもそも存在を知らなかったり、存在だけ知っていても中身を知らなければ使うに使えませんよね。
一度手持ちのクレジットカードにおいて、旅行傷害保険が付帯しているか、付帯していれば内容はどうなっているのか、確認しておくと良いのではないでしょうか。