クレジットカードの支払い方法には一括払いやボーナス払い、分割払い、リボ払いといったものがあります。
その中の1つ「リボ払い」をネットで検索すると危険、地獄といったネガティブなワードがたくさん出てきます。
一方でリボ払いと同じく複数に分けで支払う方法は「分割払い」もありますが、こちらはネガティブな記事はあまり見かけないんですよね。
ここでは、リボ払いと分割払いの違いについてまとめました。
クレジットカードの「リボ払い」と「分割払い」の違いは?
リボ払いと分割払いの違いを一言で言うと以下の通りです。
- リボ払い・・・毎月の支払額が一定
- 分割払い・・・支払い回数が決まっている
どちらも利息額がかかりますが、全体的に「リボ払い」のほうが高い傾向にあります。参考までに主要カードの手数料はそれぞれ以下の通りです。
分割払いの実質年率 | リボ払いの実質年率 | |
三井住友カード | 12~14.5% | 15% |
楽天カード | 12.25~15% | 15% |
dカード | 12%~14.75% | 15% |
全体的にリボ払いの方が実質年率で見ると手数料が高い反面、分割払いでも回数が増えると結構な手数料がかかることがわかります。
注意点としてこれは「実質年率」なので、「常に分割払いが安い」とは限りません。ここで計算式を羅列してもイメージしにくいと思いますので、実際にカード会社のシミュレーションシステムを使って、支払い額や利息を見ていきましょう。
実際にシミュレーションをしてみました
リボ払いのシミュレーション
私が持っている三井住友カードのシミュレーションシステムを利用し、実際にリボ払いのシミュレーションをやってみました。※元金定額コース
2023年3月から、10万円を毎月5000円+手数料をリボ払いで支払ったときのシミュレーション結果は以下の通りとなりました。
- お支払い完了年月:2024年11月
- お支払い回数 21回
- お支払い総額 112,990円
- 内元金 100,000円
- 内手数料 12,990円
「地獄」といわれるリボ払いですが、これだけ見ると案外普通?続いて、30万円を5000円で支払ったときのシミュレーション結果を見てみましょう。
- お支払い完了年月 2028年 3月
- お支払い回数 61回
- お支払い総額 413,986円
- 内元金 300,000円
- 内手数料 113,986円
手数料11万となり、1/3以上の手数料がかかってしまう結果になりました。
ちなみに30万円でも月々の支払金額を2万円に設定してリボ払いをすると、結果は以下の通りになります。
- お支払い完了年月 2024年 6月
- お支払い回数 16回
- お支払い総額 329,616円
- 内元金 300,000円
- 内手数料 29,616円
一気に手数料は10%以下になりました。このように見ていくと、リボ払いは月々の支払額の割に高額な支払いをしてしまうことによる「支払い回数の増加」が、文字通りの「地獄」と化していくと考えられます。
分割払いをシミュレーション
同じ三井住友カードで分割払いで支払うと、トータルで100円当たりの手数料は以下の通りです※一部のみ表示
- 3回→2.01円
- 6回→4.02円
- 12回→8.04円
- 24回→16.08円
実際に少しシミュレーションすると、以下のような感じですね。
- 10万円のものを24回分割払いで払うと払う合計金額は10万+10万×0.1608=116080円となります。これを24回に分けて支払うことになります。
- 10万円のものを6回分割払いで支払うと合計金額は10万+10万×0.0402=104020円となり、これを6回に分けて支払います。
こうやって見ていくと、回数を増やすほど手数料がかなり高くなることがわかります。ただし支払う合計金額と一月あたりの支払い額は固定されるため、リボ払いと違って支払い額がわかりやすいのが長所です。
リボ払いはなぜ地獄?
- リボ払いで10万円を5000円ずつ21回に分けて支払う
- 分割払いで10万円を24回に分けて支払う
実際にこの2つのシミュレーション結果を比較すれば、リボ払いの手数料は逆に安いように感じますよね。リボ払いが地獄と言われるのはなぜでしょうか?
これは、30万円を5000円ずつ支払ったときのシミュレーション結果をご覧になればわかるのではないでしょうか。
分割払いであれば支払う回数も手数料も固定されているため、どれだけ使いすぎたりしてもその支払い額+手数料以上の支払いはありません。
他方でリボ払いでは、いくら使っても1月当たりの支払い金額が増えない代わりに「支払い回数だけが増えていく」ということが起こります。後で支払えばよいだろうと高を括って使いすぎると、結果的に思わぬ形で手数料が膨れ上がってしまいます。
また1月当たりの支払い額が少ないので、危機感を感じないまま使いすぎてしまう人が多いのが、問題に拍車をかけているともいえます。
リボ払いはうまく使えばむしろ分割払いより手数料が安く済むこともあるので、使うこと自体がダメというわけではありません。ただし「無計画に使って支払い回数が膨れ上がると手数料もその分膨れ上がってしまう」ということは必ず意識しておくべきと言えるでしょう。
まとめ
クレジットカードの「リボ払い」と「分割払い」の違いを簡単に説明すると
- リボ払い・・・金額を決める
- 分割払い・・・回数を決める
ということになります。
どちらにも言えることなのですが、「支払い回数を増やすほど利息が増える」のが基本です。特にリボ払いは分割払いと比べると手数料が安く済むときもある反面、毎月支払う額が決まっているため無計画に使うと支払い回数が膨れ上がりやすい仕組みになっています。
リボ払いのシミュレーションシステムを提供しているカード会社もあるので、リボ払いを使う際は事前にそういったものを利用してシミュレーションしておくのがおすすめです。そうすれば、リボ払いで地獄を見るリスクは減らせるはずです。