以下の動画でニュースサイト ITmedia さんが紹介しているように、ルクセンブルグのイベントでカード情報が書かれていないクレジットカードが紹介されたようです。
クレジットカードそのものに番号が書かれていないため、盗まれたり落としたりしても悪用されにくいですね。
クレジットカードというと不正利用がよくクローズアップされるため、悪用の問題が解決すれば、かなり革新的です。
気になって調べてみると、このクレジットカードはAPSカードというカードです。2016年にルクセンブルクに設立した会社がスタートした事業で、実用化に向けて頑張っているようです。
日本でも代理店が設立されていて、日本での実用も考えているようです。当記事では、そんなAPSカードについて仕組みなどを見ていきたいと思います。
APSカードの仕組み
APSカードではアクティベーションシステムと呼ばれる仕組みを採用することにより、カード詐欺や不正利用を防止できるとされています。
普段はカード番号などのカード情報は表示されず、所有者がスマートフォンを通して認証することでカードのディスプレイに番号が表示される仕組みになっています。また認証するごとに毎回CVC/CVV番号が変更されます。
また、ICチップも所有者が認証することで使用できるようになり、認証が無ければ使えないようになっています。
カードとスマートフォンをBluetoothを投じて接続することで、こういった仕組みが可能になっています。
こういった仕組みを見ていくと、確かに理論上不正利用のリスクは少ないと思われ、なかなか画期的といえるカードです。
次世代なクレジットカードの1枚あたりのコストはどれくらい?
ディスプレイ付きのクレジットカードというと、結構コストがかかりそうに感じますね。コスト情報まではさすがにわかなかったのですが、予想という形でてみましょう。
ちなみに、現行のクレジットカードのコストは以下の通りです。
- 磁気カード 70円くらい
- 情報入ってる磁気カード 100円くらい
- ICカード 300~500円ほど
ディスプレイ付きになると、ここにディスプレイや電池といった費用がさらに掛かってくると思われます。
ちなみに5インチスマホの有機ELディスプレイは2016年初期で1600円程度です。クレジットカードだとサイズこそ小さいですが、より薄く小型化する必要があるのでどのみち結構なコストがかかりそう。
さらに、Bluetoothとつなぐ仕組みや電池も内蔵しないといけないので、カード自体のコストも結構かかりそうです。
こういったことを考えると、仮に実用化されても初期費用や年会費はちょっと高くなるかもしれませんね。
実用化はいつになる?
このような技術を見ると、実用化が楽しみになりますね。実際にMasterCardを組んでテストを実施するなど、実用化へ向けて動いているようで、実地でのテストも決定しているとか。
順調にいけば2017~2018年ごろにはスタートするのかもしれませんね。
日本でも興味を示している企業もあるようで、ひょっとするといずれ日本でもこのようなカードを使える日が来るのかもしれませんね。
<2023.02追記>
現在APSカードの事業はあまり進んでいないようです。
APSカードの公式HPを見るとニュースの更新は2018年5月が最後、ツイッターは2019年2月の更新が最後になっています。
そのため現在公式ホームページこそ残っているものの、計画は進んでいないと思われます。どのような理由なのかはわかりませんが、面白い技術だと思っただけにちょっと残念ですね。